枯れている
土曜日だというのに一日中ギターを弾いてた。今押さえているコードがなんなのかも分からないまま適当に弾いたり、元レッチリのジョン・フルシアンテみたいに単音カッティングやってた。彼みたいに枯れたギターの音は出せないが、私の愛機であるスクワイヤのストラトなんてギターとしては枯れているようなもんだ。
好きなギタリストは二人いて元ホワイト・ストライプスのジャック・ホワイトと元レッチリのジョンだ。
何が好きかって、二人とも音が良い。
ジョンは前述の通り枯れたギターという表現が言い得て妙で、カラカラとした音なんだけどそこにショボさは感じず、どこか哀愁を感じる。また、ギターソロになると歪んだ音で叫ぶように弾くのが、普段は寡黙な男が深い悲しみに暮れて一人で泣き叫んでいる様な音がする。
彼が現代の3大ギタリストに選ばれたときに、エリック・クラプトンが「あいつはジミ・ヘンドリクスの下位互換だ」的な事を言っていたらしいが、ジミのように歌うギターをジョンも弾けることがどれだけすごいことかクラプトンには分からないらしい。すごい奴はすごい奴と比べるから、凄さの定規がおかしくなっているみたいだ。
変わって、ジャックはジョンと対象的に物凄く太い音がする。
エフェクター使ってオクターブ下の音を混ぜてるからなのかは分からないけど、ホワイト・ストライプスの曲はどれもシンプルなのに全く物足りなさが無い。むしろジャックのギターは主張が強すぎる。あんな音をバッキングで弾かれたら歌詞もボーカルも耳に入ってくる気がしない。だから彼の曲のサビはギターソロやリフであることが多い。
Seven Nation Armyという代表曲があって、日本のカラオケでも稀に入ってたりするのだけれど、サビ(一番盛り上がるところ)にボーカルが無いので全くカラオケ向けでない曲だ。サッカー好きがいるなら盛り上がるかもしれないが(欧州サッカーでゴールが決まったときに流れるから)
俺が一日費やしたところで彼らみたいな音を出せるわけ無いけど、彼らみたいに音を一発聴いただけで誰だかわかるように、僕らは音の代わりに思想だとか思考、センスのアイデンティティは持って生きていきたい。
それが変わり者になるってことでは無いと思うけど、みんなに前ならえをすることでは決して無いと思う。だから、そこのラインが分からなくなるから難しい。
そんな生き方したところで何になるのだとも思うけどね。
とにかく今の俺はアイデンティティという言葉に甘えて生きている気がするよ。まさにラインが分からなくなっている。
Red hot chili peppers - Don't forget me
以上。